◆ 甲子園とカビなしコーヒーに共通する「クリーンを守る努力」
お盆前、久しぶりに甲子園へ足を運びました。普段は阪神戦のナイター観戦が多い僕にとって、朝からの高校野球は空気感がまったく違います。改札を抜け、スタジアムに向かう道すがら感じる熱気。QRコードをかざして3塁側の入口をくぐった瞬間、スタンドから湧き上がる声援に包まれました。
日本人にとって、この時期の全国高校野球は夏の風物詩。熱狂的に応援する人もいれば、テレビ中継を見かけたときだけ少し眺める人もいます。僕はずっと後者でしたが、昨年から息子の野球チームでコーチを務めるようになり、野球への距離感が変わりました。
◆ 球児たちの「見えない努力」
グラウンドに立つ球児たちは、全力でプレーしています。一球ごとに声を出し、必死にボールを追い、仲間を鼓舞する。その姿は観客席から見てもまぶしく映ります。
しかし、その裏には数えきれない練習と準備があります。朝練、グラウンド整備、素振り、ノック、体づくり、食事管理。同じことを何度も繰り返し、少しずつ自分を磨き上げる。その積み重ねが、限られた試合時間でのパフォーマンスを支えています。
◆ カビなしコーヒーの「見えない努力」
SHIFTPOiNTの「カビなしコーヒー」も、形は違えど同じです。マイコトキシン(カビ毒)のリスクを抑えるため、生豆を一粒ずつ目視で確認し、欠点豆を取り除きます。単調で時間のかかる作業ですが、数粒混入すれば品質は確実に落ちるため、妥協はできません。
さらに、焙煎では温度や時間を何度もテストし、香りと安全性のバランスを探ります。外からは見えない部分こそ最も手間と時間を要し、この積み重ねが「安心して飲めるコーヒー」を支えています。
◆ 環境に逆らわず、活かす工夫
甲子園の炎天下、選手たちは日陰で体を冷やし、ペース配分を考えながらプレーします。気温や湿度は変えられませんが、その条件下でベストを尽くす工夫はできます。
コーヒー豆の管理も同じです。日本の夏は高温多湿で、豆にとっては厳しい環境。完全に湿度をゼロにはできませんが、その特性を前提に保管や焙煎スケジュールを設計します。夏は保管期間を短くし焙煎頻度を上げ、冬は乾燥しすぎないよう適度な湿度を保ちます。
◆ 日常の積み重ねが本番を決める
試合当日にできることは限られています。同じように、焙煎や抽出工程もその場で劇的に変えられるものではありません。だからこそ、普段の管理や準備が土台となります。
日常をどう過ごすかが、当日のパフォーマンスを決める。この点は、甲子園の選手もSHIFTPOiNTのカビなしコーヒーも同じです。
◆ 泥臭さの中の輝き
甲子園で球児たちの姿を見て、改めて思いました。本当に価値のあるものは、華やかな舞台の裏側で生まれているということ。
SHIFTPOiNTは、これからもカビなしコーヒーを通じて、誠実で、泥臭く、そしてクリーンなものづくりを続けていきます。