先日、件の知人から「すごい記事になってる」と連絡がありました。
僕は読んでみて、席からのけ反り落ちました。
“健康”や“安心”を掲げる発信の中で、「5歳の子どもがブラックコーヒーを飲んで『美味しい』と言った」というエピソードが書かれていたからです。
その瞬間、僕は思いました。
これはもう、倫理的に完全にアウトだろう。
カビの有無以前に、カフェインを含む飲料を小児に与えること自体が危険だからです。
・カフェイン摂取の科学的リスク
欧州食品安全機関(EFSA)では、子どものカフェイン摂取量の目安を体重1kgあたり3mg/日 としています。体重20kgの子どもであれば、1日の摂取上限は 約60mg。
一方で、一般的なコーヒー1杯(150ml)には 80〜100mg のカフェインが含まれています。
アメリカ小児科学会(AAP)は、12歳以下の子どもにはカフェインを避けるべきだと明言しています。
つまり、「5歳の子どもがブラックで飲んでいる」――
これは科学的にも明確なリスク行為です。
健康を語る立場の人間が、これを“安心”と表現する神経を、僕は理解できません。
しかもその発信を、コーヒー関連の企業やインフルエンサーが「コラボ」や「紹介」という形で拡散しているのも事実です。健康や安全を看板にしている以上、情報発信者には最低限の責任があるはずです。もしこの内容を信じて真似をする人が出たら、その影響は小さくありません。
・「サル真似」というもう一つの問題
さらにこの記事を読んで感じたのは、表現や構成が、当社 SHIFTPOiNT の発信と驚くほど似ていたことです。
「カビなしコーヒーとは?」「芳醇」「クリア」「雑味」「ハンドピック」――
私たちが時間をかけて積み上げてきた言葉や思想が、
表面だけ切り取られ、“本物らしさ”の演出に使われていました。
しかし、言葉だけ真似ても、理念や誠実さまではコピーできません。
健康を語るのなら、まず自分の信念で語るべきです。
それが、発信者としての最低限の倫理です。
・SHIFTPOiNTが考える「安心」とは
SHIFTPOiNTが考える「安心」とは、“誰でも飲める”という意味ではありません。
“自分の身体を大切にできる選択を持つこと”です。
だから、子どもにブラックコーヒーを飲ませてまで「安全」「健康」を語るような発信には、僕たちははっきりとNOを突きつけます。
どうか皆さん、情報の“深さ”を見てください。見た目の言葉ではなく、どんな思想と責任をもって、その言葉を使っているか。
SHIFTPOiNTはこれからも、誠実な焙煎と、誠実な言葉で、真に安心できる一杯を届けていきます。